バレエヨガインストラクター三科絵理のブログ

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ヨガは「心の学問」、アーユルヴェーダは「体の学問」

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「アーユルヴェーダ」という言葉が少しずつ世間で知られるようになりました。

ただ、アーユルヴェーダのことを、オイルマッサージのことだと勘違いしている人が多いようです。

レッスンのお客様にもよくお話しているのですが、アーユルヴェーダは単にエステやオイルマッサージのことだけではありません。

アーユルヴェーダとは、古代インドでヨガと同様に先人たちから受け継がれてきた知恵であり、約5000年前を起源に体系化されてきた生命科学です。

語源は、「アーユス」が生命、寿命の意味で、「ヴェーダ」は知識、真理、科学といった意味です。

病気や不調から心身を守るための治療法はもちろんのこと、睡眠・食事・運動なども含めた日常生活の過ごし方、生命観の考え方などまで包括的に含めた生命の科学なのです。

それは、対症療法的なアプローチになりやすい西洋医学で扱われる領域よりも、もっと幅広いものです。

また、根本的な考え方が「自然にそった生活」を基本としていることも大きな特徴です。

アーユルヴェーダの歴史は古く、約5000年前の古代インドで成立した後に、中東のユナニ医学に影響し、そこから西洋医学の基礎となったり、アジア各地域に伝播して中医学や漢方につながったとも言われています。

そうした人類の歴史とともに歩んできた伝統的で自然なスタイルの生命科学であるアーユルヴェーダが、現代の西洋医学を補うものとして注目を集めています。 中でも、こうした4つの特徴があります。

  • 予防医学を大事にしていること
  • 自然と共生する生命観を根幹にしていること
  • 人工的な薬などに頼らないで、自然でからだにやさしい生活術・食事法であること
  • 個人の体質・個性に応じて工夫できること

つまり、西洋医学の科学的・化学的なアプローチも取り入れつつ、アーユルヴェーダのより広範囲で包括的なアプローチも組み合わせることで、より現代社会のライフスタイルに合った生活術を身につけていくことができます。

たとえば、不調をケアする方法にハーブやスパイスなどを用いたり、食事の取り方を工夫したりします。

特に食事は、6つの味覚(甘味・酸味・塩味・辛味・苦味・渋味)や6つの性質(重性・軽性・油性・乾性・熱性・冷性)といった要素が、体にどう影響するのかを考えながら、その人の体質・季節・体調の様子に応じて食事のとり方を考えます。

体質は、体の特徴(身長・筋肉や脂肪のつき方・髪質・肌・どんな食事を好むかなど)や、性格(くよくよしやすい、カッとなりやすい、流行に敏感、など)といった観点から、3つの体質に分類して考えます。

また、アーユルヴェーダの生活術には、「ヨガを実践すること」も勧められています。

というのも、アーユルヴェーダを作り上げてきた先人たちの多くはヨガを実践していたからです。

なので、ヨガは「心の学問」、アーユルヴェーダは「体の学問」とも言われます。

ヨガが体の学問じゃないの?という疑問もわいてくるかもしれませんが、ヨガはポーズをとることで心身を浄化し、最終的には心穏やかに座って瞑想できる自分を作り上げるためのもの。

アーユルヴェーダは、より具体的な体調管理の方法を扱っているので、このように比較されるのです。

私自身も心身の調子をこわしてしまったとき、ヨガを続けながら、アーユルヴェーダも取り入れたライフスタイルを実践することで、体調が大きく改善され、体や心に対する考え方も変わり、ヨガインストラクターとして活動する動機にもなりました。人生を変えた、といっても過言ではありません。

ヨガに関心を持つ人にとって、アーユルヴェーダは取り入れやすいものが多いのではないかと思います。

ヨガを始めてから食事や生活に気を使うようになったという方は、特に参考になると思います。

関連書籍も、ご興味がありましたら手にとってみてください。